けふもまた こころの鉦を うち鳴し うち鳴しつつ あくがれてゆく
「海の声」
いざ行かむ 行きてまだ見ぬ 山を見む このさびしさに 君は耐ふるや
「独り歌へる」
とこしへに 解けぬひとつの 不可思議の 生きてうごくと 自らをおもふ
「独り歌へる」
白鳥は 哀しからずや 空の青 海のあをにも 染まずただよふ
「海の声」
疲れはてし こころの底に 時ありて さやかにうかぶ 渓のおもかげ
「さびしき樹木」